SNMPモニタリングを管理する
SNMP(Simple Network Management Protocol)を利用することで、ネットワーク管理者はSNMPサービスを起動、停止、有効化、無効化することができます。また、デバイスの各種ネットワーク情報をクエリすることもできます。Access Gatewayを利用することで、SNMPポーリングによってアプライアンスから情報を直接収集できます。
Access Gatewayでは、SNMPはデフォルトでオフになります。Access Gateway 2024.2.1以降の新規インストールは、デフォルトでSNMP v3を使用します。Access Gateway 2024.2.1以降にアップグレードされた既存インストールもデフォルトでSNMP v3を使用します。SNMP v3資格情報を作成していなければ、既存インストールでSNMP v2cを使用し続けることができます。
SolarwindsやNagiosなどのサードパーティ製ネットワークモニタリングツールは、SNMPを使って特定のパラメーターをモニタリングできます。
Access GatewayでサポートされるSNMPのバージョンは次のとおりです。
- Access Gatewayバージョン2024.2.1以降:v3
- それ以前のバージョンのAccess Gateway:v2c
Access Gatewayアプライアンスは、次のMIB(Management Information Base)オブジェクトのサブセット内にあるオブジェクトIDをサポートします。
- UCD-SNMP-MIB :.1.3.6.1.4.1.2021
- IF-MIB (ifMIBObjects) :.1.3.6.1.2.1.31.1
- HOST-RESOURCES-MIB :.1.3.6.1.2.1.25
- SNMPv2-MIB :.1.3.6.1.2.1
これらのMIBは独自のものではなく、ほとんどのネットワークモニタリングシステムで利用できます。Access Gatewayアプライアンスには独自のMIBは含まれていません。
v3のSNMPの有効化
環境内のAccess Gatewayインスタンスごとに、このタスクを実行します。
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- [1 - Enable(有効化)]を選択します。
既存のAccess GatewayインストールのSNMP v2cの有効化
既存のAccess GatewayインストールでSNMP v2cを実行している場合にAccess Gatewayバージョン2024.2.1以降をインストールするときは、SNMPサービスを無効化してから有効化した上で、環境内の各Access GatewayインスタンスでSNMPバージョンv2cを選択する必要があります。
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- [1 - Disable SNMP(SNMPを無効化)]を選択します。
- [x]を選択して[6 - SNMP]メニューに戻ります。
- [1 - Enable SNMP(SNMPを有効化)]を選択します。
- [x]を選択して[6 - SNMP]メニューに戻ります。
- [6 - Configure SNMP(SNMPを構成)]を選択します。
- [1 - Enable SNMP v2c(SNMP v2cを有効化)]を選択します。
SNMP v3にユーザーを追加する
SNMP v3は、Access Gatewayで使用されるデフォルトのバージョンです。このバージョンは、ユーザー名、認証パスワード、暗号化パスワードを使ってユーザーを認証します。SNMP v3を使用するには、ユーザーと、認証および暗号化パスワードを事前に作成する必要があります。既存のユーザーを変更することはできません。代わりに新しいユーザーを作成して古いユーザーを削除します。
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- [2 - Add user(ユーザーを追加)]を選択します。
- ユーザー名を入力します。
- 認証パスワードを入力し、プロンプトに応じてもう一度入力します。
- 暗号化パスワードを入力し、プロンプトに応じてもう一度入力します。
SNMPサービスの管理とステータスの確認
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- 次のいずれかのオプションを選択します。
- [Disable SNMP(SNMPを無効化)]:SNMPサービスを無効にします。
- [Start SNMP(SNMPを起動)]:SNMPサービスを起動します。
- [Stop SNMP(SNMPを停止)]:SNMPサービスを停止します。
- [Restart SNMP(SNMPを再起動)]SNMPサービスを再起動します。
- [Check status SNMP(SNMPのステータス確認)]:SNMPサービスのステータスを確認します。
- [Configure SNMP(SNMPを構成)]:SNMPサービスを構成します。「SNMP v3にユーザーを追加する」を参照してください。
- [Reset SNMP(SNMPをリセット)]:SNMPサービスをリセットします。これは、SNMPサービスを初期状態に戻します。SNMP v3に追加したすべてのユーザーは削除されます。SNMP v2cは無効化され、元のSNMP v2cコミュニティ文字列が復元されます。
SNMP v3からユーザーを削除する
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- [3 - Delete a user(ユーザーを削除)]を選択します。
- ユーザー名を入力します。
- deleteキーを押して確定します。
- Enterキーを押します。
新しいAccess GatewayインストールでSNMP v2cに切り替える
新しいAccess Gatewayインストールでは、SNMP v3がデフォルトのバージョンとなります。SNMP v2cを使用していて、まだSNMP v3で認証資格情報をセットアップしていない場合は、SNMP v2cに切り替えることができます。このバージョンは、ユーザーの認証にコミュニティ文字列を使用します。コミュニティ文字列は、Oktaサポートから入手できます。
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- [6 - Configure SNMP(SNMPを構成)]を選択します。
- [1 - Enable SNMP v2c(SNMP v2cを有効化)]を選択します。
SNMP v2cコミュニティ文字列を変更する
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [2 - Services(サービス)]を選択します。
- [6 - SNMP]を選択します。
- [6 - Configure SNMP(SNMPを構成)]を選択します。
- [4 - Change v2c community string(v2cコミュニティ文字列を変更)]を選択します。このオプションは、SNMP v2cを有効にした場合にのみ表示されます。
- コミュニティ文字列を入力し、プロンプトに応じてもう一度入力します。
- Enterキーを押します。
レガシーAccess GatewayバージョンのSNMPモニタリングパッケージをインストールする
バージョン2020.03.3以前では、Okta SNMPモニタリングパッケージはインストールされません。
- Access Gateway Managementコンソールにサインインします。
- [5 - Sysetem(システム)]を入力します。
- [2 - Install(インストール)]を入力します。
- パッケージ名(okta-monitoring-snmp)を入力します。
- プロンプトが表示されたら、パッケージをインストールする場合はy、インストールを終了する場合はNを入力します。
SNMPテストツール
さまざまなオペレーティングシステムでSNMP機能をテストするためのツールが複数あります。以下の情報は、一般的なオペレーティングシステムの概要を示しています。
Microsoft Windows
Windowsオペレーティングシステムでは、net-snmpと呼ばれるオープンソースツールを使用できます。以下の手順に従いnet-snmpをインストールし、Access GatewayアプライアンスへのSNMPポーリングをテストします。
- net-snmp をダウンロードして、マシンにインストールします。
- サンプルテストコマンドからsnmpwalkコマンドをコピーし、コマンドプロンプトに貼り付けて実行します。
Linux(Debianベース)
Linuxベースのオペレーティングシステムでは、同じ結果を得るためにSNMPパッケージをインストールできます。Debianシステムでは、以下の手順に従います。
- snmpdをインストールします。apt-getを使用するシステムでは、次のコマンドを入力します:sudo apt-get install snmpd
- サンプルテストコマンドからsnmpwalkコマンドをコピーし、ターミナルに貼り付けて実行します。
サンプルテストコマンド
個々のアプライアンスのSNMPのテストに使っているSNMPバージョンのsnmpwalkコマンド文字列を使用します。
SNMP v2cを使用しているときは、OktaサポートからSNMPコミュニティ文字列を入手できます。
ポーリングするオブジェクト |
SNMP v2コマンド |
SNMP v3コマンド |
---|---|---|
利用できるすべてのオブジェクト | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 .1 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1 |
システム | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 |
ディスク | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.9 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.9 |
ネットワーク統計情報 | snmpwalk -O n -v2c -c AccessGatewayCommunityString localhost:161 .1.3.6.1.2.1.31.1 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1.3.6.1.2.1.31.1 |
負荷 | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.10 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.10 |
メモリ | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.4 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.4 |
セッションキャッシュlogwatch | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.16.2 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.16.2 |
プロセス | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.2 | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 .1.3.6.1.4.1.2021.2 |
Watch | snmpwalk -O n -v2c -c <AccessGatewayCommunityString> localhost:161 1.3.6.1.4.1.2021.2.1 | grep ".2 " | snmpwalk -O n -v3 -l authPriv -u <username> -a SHA -A "<auth_password>" -x AES -X "<enc_password>" localhost:161 1.3.6.1.4.1.2021.2.1 | grep ".2 " |
SNMPが正常に機能していることを確認したら、ネットワーク管理システム(NMS)を構成してAccess Gatewayアプライアンスをポーリングできます。新しい管理対象デバイスを追加する構成手順については、NMSのヘルプドキュメントを参照してください。